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button01.jpg 会長声明:文化庁によるあいちトリエンナーレへの補助金不交付の撤回を求めます

 文化庁はこのたび、交付を予定していた「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金を全額不交付にするという決定を下しました。同庁のホームページ(http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1421672.html)にはその理由が記されていますが、それは明らかに企画の一部である「表現の不自由展・その後」を採り上げ、「実現可能な内容」か否か、「事業の継続が見込まれる」か否かについての適正な審査ができなかったという申請手続き上の「不適当」を指摘するものです。

 しかしながら、異例な脅迫等の暴力的行為によって中止を強いられるということが計画段階でもその後でも想定されていたとは思われず、その意味では、あらゆる芸術活動がこうした危険にさらされる潜在的な可能性を擁しているわけであり、脅迫した側ではなく、された側に責務を負わせる措置は、脅迫という犯罪行為を追認し、今後のさまざまな芸術活動や展示企画を萎縮させるものです。

 文化庁がこれまで取り組んできた「表現の自由の重要性」への深い認識や「文化芸術活動を行う者の自主性」の尊重という、文化芸術基本法の主旨にも抵触するような今回の措置に対し、時代や思潮に縛られぬ、真の意味で自由な文化活動を目指すべき同庁の現在および将来のあり方を慮り、同庁が禍根や汚点を残さぬよう、芸術研究や芸術実践に身を置く者としてその撤回を強く求めます。

2019年10月10日

日本音楽学会
会長 長木誠司


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